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ミステリー初心者の方にもきっと楽しんでもらえる、有名な推理小説を敷居低めに気楽に♪ご紹介します。

米澤穂信の『儚い羊たちの祝宴』がおすすめ!あらすじ&感想

米澤穂信のおすすめ!『儚い羊たちの祝宴』あらすじ&感想をご紹介

儚い羊たちの祝宴

米澤穂信と言えば、アニメ化された「氷菓」や、藤原竜也主演の映画「インシテミル」などの原作者としてご存知の方も多い作家さんかもしれませんね。

 

そんな米澤穂信の、暗黒ミステリと謳われる『儚い羊たちの祝宴』のあらすじ、感想のような雑記のようなものをつらつら書いてみようかな~と!

 

こちらにもご紹介していますので、ぜひおすすめ作品チェックしてみてください。

kirakunimystery.hatenadiary.jp

 

 

目次

  • 身内に不幸がありまして
  • 北の館の罪人
  • 山荘秘聞
  • 玉野五十鈴の誉れ
  • 儚い羊たちの晩餐

 

それぞれのあらすじ

それぞれのあらすじをご紹介していきます!

身内に不幸がありまして

大名家の丹山家に使用人として孤児院から引き取られ、娘の丹山吹子に仕えていた村里夕日。優しい吹子が大好きだった夕日は、彼女とともに月日を過ごした。吹子が大学生になり、”バベルの会”と呼ばれる読書サークルに入り、泊りがけの読書会を控えていたある日…丹山家の出来の悪い息子、宗太が突如屋敷を襲撃する事件が起こる。その後宗太は消息を絶ち、表向きには死んだこととされた。しかし、翌年も翌々年もまた、丹山家の関係者が殺される事件が起こる…!

 

北の館の罪人

紡績から製薬会社へと転身して財を成した”六綱家の当主、虎一郎の愛人の子として生まれた内名あまりは、母が亡くなる前に初めてその事実を知った。行く当てもなく、身寄りもいないあまりは、事故で身動きのできない虎一郎にかわり当主となった息子の光次に頼み、邸宅の別館(通称:北の館)に小間使いとして住むことになった。諸事情により北の館から出ることを禁じられている先客、六綱早太郎の世話を条件として。しばらくして外出を許されたあまりは、早太郎から少し変わった買い物を時折頼まれるようになる。早太郎が一体なにをしているのか、不思議に思いながら日々を過ごすあまりだったが…。

 

山荘秘聞

貿易商・辰野家主人の妻の病気療養のために建てられた別荘、飛鶏館を管理するよう任されている屋島守子。冬は雪に閉ざされる八垣に建つ別荘での仕事を断るつもりだったはずが、一目飛鶏館を見てから心を奪われ、管理の仕事に精を出していた。しかし辰野家の妻が亡くなり、客は来なくなってしまったことを残念に思っていたのだ。そんなある日、熊の警戒に見回りをしていた屋島は、崖下に転落した登山客の越智を発見。救出して飛鶏館で介抱することに。目を覚ました越智は、登山仲間や救助隊が来るはずだと言う。翌日、その通りに登山仲間と救助隊が滑落した仲間を探していると飛鶏館を訪れるのだが……。

 

玉野五十鈴の誉れ

小栗家の長女、小栗純香は絶対的権威を持つ祖母から、玉野五十鈴を従者として与えられる。内向的な自分と違って、教養もあり利発でしたたか、そして忠実、まさに完璧な使用人である五十鈴を慕って心を通わせた純香は、なんとか祖母を言い含めて2人で共に大学へ進学する。そんな完璧に見えた五十鈴も、実は料理が苦手で、純香に”はじめちょろちょろ、中ぱっぱ”とご飯の炊き方を教わり、2人は読書サークル”バベルの会”にも入った。順風満帆に見えた2人の生活は、純香の父の伯父が強盗殺人を犯したことで、見事に崩れ去ってゆく…。

 

儚い羊たちの晩餐

1人の少女が荒れ果てたサンルームで見つけた1冊の本…それは”バベルの会”に籍を置いていた大寺鞠絵による日記だった。そこには、”バベルの会”がいかにして消滅したのか、そしてそれに至るまでの元会員であった鞠絵自身についてが綴られていた。

 

父親が会費を用意してくれなかったことで”バベルの会”を除名されてしまった大寺鞠絵。しかし父は後に、会の参加者に丹山家や六綱家の娘がいることを知り、家同士のつながりのために金を用意したが会長には相手にされなかった。

金持ちであることを誇示したい見栄っ張りの父は、厨娘(ちゅうじょう:女の料理人)の夏を雇い入れた。腕はまさに超一流だが、少量の料理に対してなぜか材料費が高額だった。

そんな折、鞠絵は自分が”バベルの会”から除名された本当の理由と、大寺家にまつわる秘密を知ってしまい…。

 

感想のような雑記のようなもの

以上が儚い羊たちの祝宴に収録されている短編作品です。

☆どれもお金持ちの家の関係者であること

☆その一部の登場人物が読書サークル、”バベルの会”に入っていること

事件はそれぞれに独立していますが、この2つが共通しています。せっかくなので、独立した事件と言えども順番に読んだ方が面白いと思います('ω')ノ

 

どれも、世にも奇妙な物語に出しても良さそう!って思ってしまう感じの、少し奇妙な世界観とお話ばかりです。推理ものというよりは、ブラックでダークなミステリーと言った方がしっくりくるでしょうか。(私の中では、つい曖昧に書いてしまうものの、ミステリーの中に、推理小説というジャンルがあるみたいな感覚です。なんとなくです。)

 

推理小説では、事件が起こると動機の部分にも触れられますよね。あまりに動機が薄弱だったり、理解の範疇を超えていると作品自体の評価が下がることもあるくらい重要なこともあります。

儚い羊たちの祝宴』を読むと、引き金とか動機ってそれ!?という感想を持たれるかもしれません。でも、それで作品の面白さや何かが損なわれることはないと個人的には思っています。逆にそれがブラックユーモアみたいな、作品の世界観に合ってるから良いんでないかな~と。

 

「ただの偶然を探偵小説のように味わい、何でもない事故にも猟奇を見出すのです」

(引用:米澤穂信儚い羊たちの祝宴、新潮社、2008)

このセリフはバベルの会の会長が発したものですが、ふと、なんとなくですが意味がわかったような気がしました。読者である自分自身もまた…。ネタバレしそうなので、これはやめておきます(笑)

それに、私が自分で勝手に分かった気になっているだけなので(/ω\)

ぜひお読みになったらあなたなりにいろいろ感想を持って、楽しんでくださいね。

 

 

米澤穂信の小市民シリーズもおすすめ♪

他記事でご紹介した『春季限定いちごタルト事件』『夏季限定トロピカルパフェ事件』も、米澤穂信による気楽に読めるライトなミステリーです。この2作は人が死なないミステリーなので、そういった意味でも読みやすいかもしれません(*^^)v