推理小説読んでみる?

ミステリー初心者の方にもきっと楽しんでもらえる、有名な推理小説を敷居低めに気楽に♪ご紹介します。

イヤミスの女王・湊かなえの『贖罪』を一気読み!

湊かなえ『贖罪』を読んだのでご紹介します

湊かなえ 贖罪

読んでイヤ~な気分になるミステリー、イヤミスの女王と謳われる湊かなえのデビューから3作目、『贖罪』を昨晩一気読みしましたので、あらすじをご紹介&ちょっぴり感想も気が向いたら読んでやってください。

 

いつもはネタバレしたくなくて、あらすじをアッサリ目に書くことが多いのですが、今回は何となくあらすじをちょっと詳しく書いてみようかな、と思っていますので、あんまり詳しく内容を知りたくない方はご注意くださいね。

 

~あらすじ~

15年前……

 

空気が綺麗であること以外とりたてて何もない田舎町にできた足立製作所の工場と、田舎の景色に不似合いなオシャレな社宅。そこへ都会から引っ越してきた同じ年の足立エミリに、羨望や憧れを抱きながらも10歳の少女たち4人は彼女と仲良くなった。

 

お盆の8月14日、5人が学校の校庭でバレーボールをして遊んでいるところへ作業着を着た男がやってきて、プールの更衣室の点検作業に来たのだけれど、少し作業を手伝ってほしいと言う。 

 

今時の都会で育った子供なら警戒心を持ったのかもしれないが、防犯意識の薄い、何もない田舎町で育ったエミリ以外の4人は、自分が手伝うと立候補するほど、疑うということをしなかった。

 

立候補する4人ではなく、作業着の男は何かと理由を付けて結局エミリを連れて行った。4人はしばらくバレーボールに熱中し、それからおしゃべりに花を咲かせ、エミリを待っていた。18時を知らせる時報のグリーンスリーブスが鳴ったことで、4人はかなりの時間の経過に気が付いた。

 

いくらなんでも遅すぎる…とエミリを呼びに行った彼女たちが見つけたのは、エミリの無残に変わり果てた姿だった…。

 

目撃者が4人もいながら犯人は捕まらず、その後事件は迷宮入りとなった。数年後、東京へ帰ることになったエミリの母は、彼女たち4人を集めてこう言った。

 

あなたたちを絶対に許さない

必ず犯人を見つけなさい

それができないのならば私が納得できる償いをしなさい

 

呪いをかけられたまま成長した4人の少女たちの身に、悲劇の連鎖が降りかかる…!

 

 

~感想のような雑記のようなもの~

先日、自分のではなくて、大量の本や雑誌が溢れかえる家の本棚(ほとんど母の本)をごそごそと漁っていたんですね。なんか読みたい感じのないかな~ミステリーでなくてもまぁ良いし~と。

 

古い本も多くて表紙がすでにお無くなりになっているものも多々ありまして、発掘するような感覚で漁っていたら、本屋の紙のカバーをかけっぱなしの一冊を発見。なんじゃろな~と何気なくカバーを外すと、湊かなえの『贖罪』。

 

読まれた形跡すらないくらい綺麗な状態だったので、たぶん母が買って忘れていたんでしょう。

 

私「これ買ったん?」

母「ん、どれ?……………………。あかん覚えてへん(・∀・)」

 

そう、私の母は大量の本を読むので、買っていても他の本に気を取られたりしているうち、忘れてしまうのです。買ってから何年か越しに読む本も多々あるようで。凄い読書量であります。母の肩こりの原因は、読まなくても常に持ち歩く本のせいだと思っています。肩を揉んでくれと日々ぼやいています。

 

そんな母は、若い時こそミステリーも読んだようですが、今はほとんど読まないので、思わぬ収穫でした。なんだかんだとすることがあって本が読めない日々が続いておりましたが、昨晩やっと!明日はゆっくり寝られるし、寝る前にちらっと読んでから寝ようと読み始めました。

 

そしたらなんと!寝られない。なんかこう、好き嫌いとか関係なく読まされてしまうんです。どうしてもページをめくる手が止まらない深夜( ̄▽ ̄)

結局、数時間かけて一気読みしてしまいました。おかげさまで今日はほとんど寝ていません。死ぬほど眠いです。

 

それくらい、読ませる力というんでしょうか…。やっぱり人気のでる作家さんは、なにかしら惹きつけて読ませてしまう力を感じます。

 

 

内容的には、エミリと遊んでいた4人の少女たち、そしてエミリの母が1人ずつ15年前の事件当時や現在を自分視点で語っていく形で進みます。とっても読みやすいです。全部で250ページちょっとなので、本当にサクッと読めて良いですね。私は読書スピードが遅い方ですし、正確に時間は計っていませんが、それでもたぶん5時間かそこらで読めたような気がします。たぶん('ω')

 

 

全体を通して、とにかく陰鬱で怖い。それが終始、ずーーーっと漂っています。夜中に読んでいたので余計でしょうか。さすがイヤミスの女王・湊かなえ。まごうことなき嫌な気分です。しかし、読まずにはいられない。

 

登場人物は4人の少女とエミリの母がメインで女性ばかりなんですが、これがリアル。ちょっとしたシーンで垣間見える、うわー女同士ってこんなんあるある、みたことあるある…みたいな(笑)

 

心理描写や言動がリアルでより一層怖さを引き立てている気がします。小学生くらいの頃って、こんな子いたな…みたいなのがふと思い出されました。エミリの母も、いるなぁこんな人。って感じ(;´д`)

 

イヤミスの女王、女性の怖い部分を描くのが上手いんですねきっと。その反面、登場する男はだいたいろくでもない奴が多い印象がありますね(笑)

 

 

読み進めると犯人は普通に目星がついてきますし、大きなトリックがどうのこうの、というミステリーではありません。ですが、考えさせられます。

 

娘を亡くして絶望した母が、腹立ちをエミリと一緒にいた4人の少女たちにぶつけ、言葉で呪縛をかけてしまう…。それぞれがエミリ殺人事件のトラウマや罪の意識を抱えている中、自分のことしか見えていないエミリの母がかけてしまった呪縛が予想以上に少女たちに重くのしかかってしまうのです。

 

いやいや、それは普通に八つ当たりやん?怖っ!と思いました。それはいくらなんでもとばっちり、間違っているとも思いました。

 

でも、自分の子どもを失う親の絶望感や喪失感、捕まらない犯人に対する憎悪…子どものいない私ですが、想像すると少しわからなくもない気がしてしまいます。恐ろしい。

…まぁそれでも、すべてを読み終えてみると尚更複雑な嫌な気分にとらわれましたが('ω')笑

 

言葉が与える影響がどれだけ大きなものか…。何気なく声に出したことが、感情に任せて放った一言が、悪意を込めた言葉が、それを受け取った相手に大きな影響を及ぼしてしまうんですね。言った方は忘れていても、言われた側はずっとそれを忘れられず苦しむんですから。そういう意味では呪いってあるんですね、本当に。恐るべし、言葉の力。

 

 そんなことも考えた作品でした。イヤミスが読みたい方は、ぜひ一度読んでみてください!(^^)!