島田荘司の『斜め屋敷の犯罪』はもう読みましたか?
ミステリー好きに知らない人はいないと言っても過言ではないほど、日本の推理小説作家として有名な島田荘司。推理小説初心者なら、まず『占星術殺人事件』を読んだ方も多いことでしょう。
では、続く2作目『斜め屋敷の犯罪』はもう読みましたか?『斜め屋敷の犯罪』は、思わずそんなバカな!と叫びたくなる、”バカミス” としても有名です。トリックが思いもよらな過ぎて驚愕必至。私も初めて読んだときは、心の中で叫びました。そんなバカなΣ(゚Д゚)
『占星術殺人事件』をもうお読みになっている方なら、名探偵・御手洗 潔の奇人ぶりも、もうご存知ですね。もちろん『斜め屋敷の犯罪』でも、御手洗 潔がその奇人ぶりを発揮しながらも活躍してくれます。思う存分、ぶっとんだ名探偵の活躍を楽しみましょう。
まだ『占星術殺人事件』を読んでいないのであれば、ぜひシリーズ1作目の『占星術殺人事件』を読んでから、『斜め屋敷の犯罪』を読んでみてください。絶対そうでないと楽しめない!なんてことはありませんが、せっかくなら最初から読む方がわかりやすくて良いですよ(^ω^)
~あらすじ~
北海道の最北端に斜めに傾けて建てられた奇妙な館、”流氷館”は、富も権力も持ち合わせるハマー・ディーゼルの社長、浜本幸三郎が趣味で建てたものだった。
流氷館へクリスマスパーティに招かれた客たちが集まったその夜、奇妙な密室殺人が起こる。パニックの最中、さらなる悲劇が起こってしまう…!あまりに不可解。そして恐ろしい密室殺人に、占星術師・御手洗 潔が挑む。
~感想のような雑記のようなもの~
北海道の最北端に傾けて建てられた奇妙な館、流氷館。土地の人が斜め屋敷と呼ぶ建物で事件が起こる、そんな館ものミステリーであり、予想だにしないトリックからバカミスとしても名高い『斜め屋敷の犯罪』。
島田荘司の『占星術殺人事件』を初めて読んだ時から、日本の本格ミステリーってやつだな!とよくわかっていないなりに楽しんだ記憶があります。でも実際、本格的。
現実味溢れる社会派と言われるミステリーも面白いですが、やはり古き良き古典的ミステリーも大好きです。ほんまに面白い。現代社会ではあり得ない、リアリティがない、なんて意見もあるでしょう。
確かに、あまりにも無理のある設定では面白くないのかもしれません。でも奇妙な館、そこに住まう不思議な住人、思いもよらないトリックに、事件を鮮やかに解決する個性的な名探偵、クローズド・サークルや密室etc.…どうもウキウキワクワクしてしまうというか。やっぱり心惹かれる舞台や設定、登場人物たちっていますよね。
『占星術殺人事件』でもありましたが、『斜め屋敷の犯罪』でも、作者から読者への挑戦が!これなんかもう、めっちゃ好みドストライク。テンション上がってしまって、挑まずにはいられません。とりあえずページをさかのぼり、事件解決のキーになるものを拾い集めようと努力し、それを終結させて謎を解こうと奮闘…!!!
しかし、やっぱり私ごときの人間には解けませんでした。いや、でもこの『斜め屋敷の犯罪』は、そのあまりに大がかりなトリックの鮮烈さに解けなかった人の方が多いんじゃないかと思うんです。言い分けさせてください(; ・`д・´)
ほんっとーに、想像もつきませんでした。そんなんありか!バカな!と。もちろん良い意味で、ですよ。これぞバカミスですね。素晴らしい読書タイムと衝撃を与えてくれた作品です。
『占星術殺人事件』に続く、御手洗 潔シリーズの第2作目ということで、御手洗 潔が大活躍するんですが…その登場がかなり終盤です。謎が深まり終盤にさしかかり、やっとのことでやっぱり奇人としか形容しがたい御手洗 潔が登場します。そこからは、あっという間に事件が収束に向かいます。名探偵、さすがです。
雪に足跡がない…とか、密室だとか…一体どうすれば良いものかと脳内はパニック。それをあざ笑うかのように名探偵が事件を可決する。この快感!ミステリーの醍醐味を心置きなく楽しんでください。
ただ…館を建てた浜本幸三郎の娘がお嬢様すぎてとにかく腹が立つ。ひたすらイラッとしました(;´д`)なんか腹立つ~~~という感情がどうも最後まで抜けませんでした。お金持ちの嫌な女!という印象。…決してひがみではありません。決して!ひがみでは!ない!たぶん!
あと私の理解力の問題はさておき、傾きも含めて館内の構図が覚えられなくて何度も何度も最初のページについた館の見取り図を見返すことになりました。自分の理解力や記憶力を呪いました…( ̄ー ̄)
でも!そんなもん無視してぶっちぎるくらい、圧倒されますよ。こんな言葉しか出てこないのが嫌になりますが、とにかく面白い。
これから推理小説を読んでいきたい、というあなたは、ぜひ一度手に取ってみてください。楽しんでみてくださいね('ω')♪